全知全能の神として圧倒的な知名度を誇る「ゼウス神」。しかし、このゼウスにはあまり知られていない人間臭さがあることをご存知でしょうか?
今回はゼウスの壮絶な家庭環境と緩すぎる女性関係についてご紹介します。
ゼウスはギリシア神話に登場する神のひとりで、全知全能を司るとされています。全宇宙を支配する「天空神」でありながら、人と神々の世界を維持する守護神的存在でもあります。人の世界と神々の世界の両方において大きな影響力を持ち、天候を自由自在に操作する強力な能力を持っているとされています。
紀元前8世紀頃の吟遊詩人ホメロスに描かれたゼウスは弱者を守り、正義と慈悲に満ち溢れた素晴らしい神だとされていました。しかし、その一方で妻以外の女性とのあいだに何人も子どもを作るなど女性関係ではだらしなく、浮気がバレないようにあれこれと画策をする姿も描かれています。また、慈悲深いとされている反面自身の定めた秩序を守らないものに対しては徹底的に罰を与える恐怖の神でもありました。
ゼウスは父に「巨神族クロノス」、母には「大地の女神レア」を持つ神族の末っ子として生まれました。兄には「冥府の神ハデス」と「海と地震の神ポセイドン」などがいます。父のクロノスは巨神族タイタンの長であり、全宇宙を統一する神々の王でもありました。その一方で女好きで有名な神でもあり、ゼウスの不貞は父親からの遺伝だと考えられています。クロノスは実父である宇宙統治の前任者「天空神ウラノス」の性器を鎌アダマスで切り取り、さらには神々の世界から追放してしまいます。また、実子に権力を奪われることを恐れたクロノスはレアとのあいだに子どもが生まれるたびに我が子を丸呑みにしていました。
ゼウスはその女好きの性格からか結婚相手を幾度となく変えています。ゼウスの最初の結婚相手は「知性の女神メティス」でした。メティスはゼウスの父クロノスが率いるタイタン巨神族の一員でした。しかし、ゼウスがクロノスと戦う際には夫の味方をしています。一族を裏切ってまでゼウスを支えたメティスでしたが、クロノスの母でゼウスの祖母でもあるガイアが「メティスの子が父であるゼウスを超える神になる」と予言すると、子どもを産めなくするために妊娠したままゼウスに呑み込まれてしまいました。これによりゼウスは知性の神メティスの知恵を自らのものとし、「全知」を手に入れたといわれています。とんでもない話ですね。
ゼウスの二人目の妻はウラノスとガイアの子であり父クロノスの兄妹でもあった「掟の女神テミス」です。つまりゼウスの叔母にあたる神になります。ゼウスとテミスには「運命の女神モイライ」、「季節の女神ホーラ」、「正義の女神アストライアー」の三人の娘が授かりました。ちなみにモイライは「夜の女神ニュクス」の生まれ変わりで、神すら屈服させる運命の力に魅せられたゼウスが自分の娘へと転生させたとされています。これによりゼウスは運命すら従え、超越する力を手に入れることになりました。
ゼウスが三人目の妻に目を付けたのは、テミスとの結婚生活の最中でした。その相手は最高位の女神であり、皮肉にも貞節を司る「結婚の女神ヘラ」でした。浮気がバレないようにゼウスはカッコウに姿を変えてヘラの元に向かい、さらには彼女を犯そうとしました。しかし、ヘラは抵抗することなく身体を差し出す代わりに結婚することを求めます。これに対してゼウスはテミスと直ちに離婚し、ヘラと三度目の結婚をすることになりました。
ゼウスとヘラは「炎の神ヘパイストス」と「戦の神アレス」の二人の子どもを授かりますが、その後もゼウスの浮気は続き不貞を許さないヘラは愛人やその家族に非情な罰を与えることになります。というか罰を与える相手が違いますよね。
ヘラと結婚してもゼウスは浮気を繰り返しました。ゼウスの愛人であったギリシア神話に登場する「女神官イオ」はヘラへの浮気の言い訳にゼウスに雌牛に変えられてしまいます。ゼウスは雌牛になったイオを妻に見せ、「牛と遊んでただけ」と言い放ちます。しかし、これを怪しく思ったヘラは雌牛を監禁し、百の眼を持つ巨人アルゴスを見張りに付けました。ゼウスの策によりなんとか見張りから抜け出しだ雌牛のイオですが、妻ヘラの刺客である虻(あぶ)に追いかけまわされ、遥かエジプトの地まで追いやられることになりました。その後、元の姿に戻ったイオは将来エジプト王になるゼウスの隠し子「エパポス」を出産します。イオはその地に「豊穣の女神デメテル」の像を建て、その像と合わせて「豊饒の女神イシス」と呼ばれるようになりました。
ゼウスはアイトリア王テスティオスの娘で人妻だった「レダ」にも恋をします。レダに近づくためゼウスは白鳥に変身し、鷹に襲われたフリをして彼女の腕に抱かれました。彼女が拒まないことを確認するとゼウスは正体を現し、そのままレダを抱いてしまいます。レダは赤子ではなく卵を産み、その卵から「ヘレネ」と「クリュタイムネストラ」の二人の娘が誕生しました。ヘレネは絶世の美女であり、これを喜んだゼウスは宇宙に「はくちょう座」を創ったとされています。もうひとりの娘クリュタイムネストラの立場がないですね。
ギリシア神話に登場する「大地の女神エウロペ」もゼウスに一目惚れされた女性のひとりです。美しいエウロペを誘惑するためゼウスは白い牡牛へと姿を変えました。従順な白い牡牛に気を良くしたエウロペがその背にまたがった途端、ゼウス(白い牡牛)は彼女を連れ去ってしまいます。このとき、白い牡牛が駆け回った地域はエウロペの名前にちなんで「ヨーロッパ」と呼ばれるようになりました。ゼウスはクレタ島という島でその正体を現し、彼女とのあいだに三人の子どもを儲けます。その子どもが「クレタ島の王ミノス」、「死後の楽園エリュシオンの長ラダマンテュス」、「リュキアの王サルペドン」でした。ゼウスはこの島を去る際に再び白い雄牛へと変身し、宇宙におうし座が創られました。この他にもゼウスは数えきれない愛人とのあいだに子どもを儲けています。
ギベオン
上記のようにあの全知全能の神であるゼウスでさえ、無類の女好きだったのである。 しかも保身のためにやることがエゲツない。
英雄色を好むということわざもあるように、やはり男が最後に求めるのは自分好みの女性を手に入れることのようである。
あらゆる史実からみても男が女好きというのは当然であると言えよう。
恐らく、自分の子孫を多く残したいという考えからだったのだと思うが・・・
浮気癖のある自分を恥じず、男として当然だ・・くらいに思ってもいいのではないだろうか?
それ以前に、浮気相手になってくれる女性がいるというところが立派であろう。
男女に凸と凹という部品を作ったのも合体してナンボということなのであろう。
凸は凹を凹は凸を求めるのは自然の摂理である。
ゼウスのようにとは言わぬまでも、自分が気に入った異性を堂々と求めようではないか。